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人が集まる魅力的な会社をつくる 第3回

今すぐはじめられる「魅力度UP対策」

第2回でお話しした「月給制導入」「休日増加」「残業時間削減」は簡単にできることではありません。人材採用に向けた会社の魅力度UPに取り組む方法は他にもあります。今すぐ取り組めるコスパの良い方法について 知恵を絞りたいものです。

今ある魅力を棚卸し、洗い出してみる

中小建設業には、大手企業にはない「強み・魅力」があります。
その魅力をまず洗い出してみましょう。

「そんな強みや魅力は無いよ」とおっしゃるかもしれませんがそんなことはありません。
しかも、その多くは「コストがかからない強み・魅力」であることが多いものです。

■転勤がない
地元で働きたい、環境の良い地域で働きたい、いろんな事情でその地域でしか働けないという人にとっては大きな魅力 となります。是非、採用広告で考えてみましょう

■社長と直接話せる
これも大手企業にない強みであり魅力にもあります。「社長と近いから相談や意見具申もできる」という魅力を打ち出しましょう。「改善提案制度あり」とか「提案報酬制度あり」といった形で採用広告に表現しても良いかと思います。

■実力次第で、早く昇進
中小企業では大手企業のように年数をかけて昇進させる必要はありません。そもそも中小企業では早く昇進できるような人材が欲しいものです。是非採用広告に打ち出したい点です。

■社員の人柄・社風
応募者はその会社にどんな人が働いているのか関心が高いです。社長・先輩・仲間となるかもしれない人たちの働いてる雰囲気、姿が良さそうならば、魅力度はアップします。働いてる姿の写真やコメントなど採用ページに打ち出したい点です。

一度、社員さんと一緒に自社の魅力を話し合ってみると、意外な魅力が見つかる事もあります。

少しコストはかかるけどできることからやってみる

中小建設業は、福利厚生面で大手建設業に比べ不足しているかもしれません。この点も大きなコストをかけず取り組める事もあります。

■食費・作業用品の会社負担
作業用品や出張を伴う現場の場合、食費などについて個人負担になっている中小建設業も見られます。さほど大きなコストでなければ、即改善に取り組むのもひとつの方法かと思います。

■退職金制度の策定・提示、資金の積み立て
退職金制度がない、又は資金を積み立てられてないなどの企業もまだ見られます。中退共や積立型の保険活用など、大きなコスト負担にならない方法を模索してみるのも良いかと思います。

■就業不能時の給与保証対策
建設業で働く人の不安として、けがや病気で就業不能になった時の収入の問題があります。これも様々な制度や保険活用などでクリアできる可能性があります。

決算賞与を打ち出す

給与のアップについては、すぐ取り組めるだけの黒字を確保できている企業も、今すぐは難しいという企業もあるかと思います。
固定給があがることは働く人のモチベーションにもつながりますし、それができるのならベストです。

しかしなるべく固定費はあげたくないのも本音だと思います。

■決算賞与で、儲かったら分けるという制度を導入する」 のもひとつの方法です。

それらは、採用の募集広告や自社の採用ページに 『決算賞与あり』とか『その為にみんなで利益を増やす活動してます!』などの表現が効果的です。

現在働いている社員さんにもその事を伝えて、全社員一丸となって黒字を増やし、人件費に回せるお金を増やすような取り組みも大切なことだと思います。

人が集まる魅力的な会社をつくる 第4回

会社のビジョンを示し、給与が決まるルールを明確にする。

「私のほうが〇〇さんより頑張っているのに、同じ給料なんて納得いかないです」あるあるの会話ですがいかがでしょうか。
建設業に限ったことではありませんが、ルールが明示されていないと不満の声が大きくなってきます。

そんな状況を解決するためには、明確なルールが必要です。そのため、会社の将来のビジョンを共有し、社員に理解してもらうことが大切です。

簡単な「人事評価制度」をつくり、社員さんに給与が決まるルールを提示する。
業績や成果の評価と、それにつながる業務や能力を評価できるように設計していきます。

会社のビジョンを示す

第1回でお話しした、離職理由のひとつにあった「会社の将来が不安」。
これを解消し、勤め先を選んだ理由の「会社の将来に期待できる」というように感じてもらうにはどうすればいいでしょうか?

中小企業の場合、「現在の会社の状態で、社員や応募者に将来に期待させるというのは難しい」というのが現実かもしれません。
しかし働き手が減る中で、大手建設業や大手他業種との採用競争の中で、「今の会社の状態のまま」で戦おうとするのは厳しいかもしれません。

中小企業の採用の成功要因のひとつは、求職者に「会社の近未来の魅力」を感じてもらうことが大切です。会社のビジョンを一緒に働く人に明示することからはじめてみませんか。

■会社の売上成長率をどの位にし、いくらの売上を目指すのか?

■そのための受注構造・顧客構造をどのように作り上げていくのか?

■選ばれる会社になるために、施工力をどのように高めていくのか?

■どんな組織を目指し、賃金水準や労働条件をどうしていくのか?

■それらの結果、財務状況をどのような状態にしていくのか?

これらの事を整理し、明文化し、社員や求職者に伝えていく事が、「会社の将来性に期待できる!」と感じてもらうことが最善の方法です。
図3

会社のビジョンと人材への期待を関連づけて語ること

会社のビジョンを明確にすることは、社員のモチベーション向上にもつながります。
社員が自分の将来と会社の将来を結びつけ、自己実現を感じられるようにすることが大切です。

そのためには、社員のキャリアパスを作成し、一緒にキャリアプランを考えることが重要です。
キャリアパスとは、仕事や役割のレベルが進んでいくコースのようなものであり、社員が目指すキャリアについて共有し、
それに応じて必要なスキルや経験を習得するための支援をすることで、社員の成長と会社の発展を同時に実現できます。

・技能労働者見習い→技能労働者→職長→基幹技術者→建設マスター

・技能労働者見習い→技能労働者→資格取得→技術者→現場主任

・技術者見習い→技術者→現場主任→大型PJ主任→工事部長
図4

資金繰りを楽にする、たった4つの押さえるべきポイント!

建設業の社長から「利益は出ているはずなのに資金繰りに不安だ」という声をお聞きします。
まずは、その理由をよく知り、それから改善の方策を検討してください。

簡単な内容ですが、とても大事なポイントですので、ぜひご一読お願い致します。

はじめに 資金繰り悪化、3つの原因

資金繰りが苦しいのは何故か?

建設業の社長から「利益は出ているはずなのに資金繰りに不安だ」という声をお聞きします。
建設業は動くお金が大きいので、やはり資金繰りは不安ですよね・・・。
ここでは、資金繰り悪化の原因と改善方向をお伝えします。

資金繰り悪化とは、「現金預金残高が少なくなり、支払いに不安が出る事」を言います。
なので、現金預金残高をなるべく多くすることが必要ですね。

多くの建設業の経営改善をする中で見られる、資金繰り悪化の原因は大きく3つあります。

①売掛金や未成工事支出金が大きく、買掛金・未払金が小さい

建設業の売上は、受注後に施工をし、竣工・検収が終わって、売掛金(債権)となり一定期間後に銀行口座に振り込まれます。
その間、その工事にかかった材料費・外注費・労務費などの債務は先払いとなる事が多いものです。
その債権債務の金額の差が、一時的に現金預金残高を押し下げる事になります。

②受注工事の波があり、工事が少ないときの人件費・経費の支払が負担になる

工事の発注にはまだまだ季節変動があります。
閑散期又は受注案件が少ない時期にも人件費・経費の支払いは発生するので、その間の収入・支出の差が現金預金残高を押し下げる事になります。

③そもそも自己資本が蓄積されず、現金預金残高が少ない

上記のような“資金の山谷”をカバーするだけの現金預金残高を持っているべきなのですがいくつかの理由でそれが実現できてない事があります。
過去に十分な利益が確保できずに、自己資本が現金預金として積み上げられていないケースです。

では、資金繰りを良くするポイントを考えましょう。
銀行から借入をすれば現金預金残高は増えますが、その後に毎月の返済が発生しますので、ここではその方法は避けておきますね。

①工事代金の回収を早める努力

工事代金の回収は発注者の規定による所が大きく、なかなか交渉は難しいものですね。
しかし、発注者も協力業者に大きな資金負担をかけられない事も当然理解していますので、交渉次第では回収を早められた事例も多く見てきました。

・通常より大きな金額の工事は着手・中間・検収などの段階的にお支払いをお願いする。
・労務費分だけでも経過払いをお願いする

など、地道な交渉はしてみるべきではないでしょうか?

②支払の時期に協力を求める努力

材料仕入れ・外注先への支払いサイトもあまり無理を言えないと思います。
しかし、発注者と仕入先の間に立って、過度な運転資金の負担を続けるのも問題です。
無理難題を言いすぎて、業者離れがあっては大問題です。

しかし、事情を良く説明し相談すれば、
・当月末締め・翌月末支払いが、翌々月5日にしてもらえて、資金繰りが楽になった
・回収が月末なので、その日回収・その日支払という綱渡りがなくなった

という事例も多く出ています。

③受注の先読み、完成の先読みを確実にする

工事がない時期の、人件費・経費の支払いは堪えますね・・・。
工事をしていると儲かった気になり、終わったら受注工事がなくて、慌てて営業するといったお話もよく聞きます。
施工・完成の先読み(手が空く時期の先読み)とそのタイミングに合わせた受注案件の管理と営業活動をすれば、多くの場合改善出来ています。

④そもそもの自己資本を蓄積し、現金預金残高を厚くする

最も抜本的な対策は、この自己資本を充実するという事ですね。
少々の回収・支払の波は吸収できるだけの現預金を保有すれば何も問題ありません。
これは、現場ごとの利益を出し、会社の利益を増やし、税金を払った後の利益を自己資本として積み増すことになります。
利益を増やすというテーマは、他の記事でお伝えしますね

おわりに

また現実的には、借入金やファクタリング(債権の現金化)を使わなければならないケースもありますが、これらは別の記事でお伝えします。

高収益化を実現するための3つの営業テクニック!

建設業の社長から「利益は出ているはずなのに資金繰りに不安だ」という声をお聞きします。
まずは、その理由をよく知り、それから改善の方策を検討してください。

簡単な内容ですが、とても大事なポイントですので、ぜひご一読お願い致します。

はじめに 資金繰り悪化、3つの原因

資金繰りが苦しいのは何故か?

建設業の社長から「利益は出ているはずなのに資金繰りに不安だ」という声をお聞きします。
建設業は動くお金が大きいので、やはり資金繰りは不安ですよね・・・。
ここでは、資金繰り悪化の原因と改善方向をお伝えします。

資金繰り悪化とは、「現金預金残高が少なくなり、支払いに不安が出る事」を言います。
なので、現金預金残高をなるべく多くすることが必要ですね。

多くの建設業の経営改善をする中で見られる、資金繰り悪化の原因は大きく3つあります。

①売掛金や未成工事支出金が大きく、買掛金・未払金が小さい

建設業の売上は、受注後に施工をし、竣工・検収が終わって、売掛金(債権)となり一定期間後に銀行口座に振り込まれます。
その間、その工事にかかった材料費・外注費・労務費などの債務は先払いとなる事が多いものです。
その債権債務の金額の差が、一時的に現金預金残高を押し下げる事になります。

②受注工事の波があり、工事が少ないときの人件費・経費の支払が負担になる

工事の発注にはまだまだ季節変動があります。
閑散期又は受注案件が少ない時期にも人件費・経費の支払いは発生するので、その間の収入・支出の差が現金預金残高を押し下げる事になります。

③そもそも自己資本が蓄積されず、現金預金残高が少ない

上記のような“資金の山谷”をカバーするだけの現金預金残高を持っているべきなのですがいくつかの理由でそれが実現できてない事があります。
過去に十分な利益が確保できずに、自己資本が現金預金として積み上げられていないケースです。

では、資金繰りを良くするポイントを考えましょう。
銀行から借入をすれば現金預金残高は増えますが、その後に毎月の返済が発生しますので、ここではその方法は避けておきますね。

①工事代金の回収を早める努力

工事代金の回収は発注者の規定による所が大きく、なかなか交渉は難しいものですね。
しかし、発注者も協力業者に大きな資金負担をかけられない事も当然理解していますので、交渉次第では回収を早められた事例も多く見てきました。

・通常より大きな金額の工事は着手・中間・検収などの段階的にお支払いをお願いする。
・労務費分だけでも経過払いをお願いする

など、地道な交渉はしてみるべきではないでしょうか?

②支払の時期に協力を求める努力

材料仕入れ・外注先への支払いサイトもあまり無理を言えないと思います。
しかし、発注者と仕入先の間に立って、過度な運転資金の負担を続けるのも問題です。
無理難題を言いすぎて、業者離れがあっては大問題です。

しかし、事情を良く説明し相談すれば、
・当月末締め・翌月末支払いが、翌々月5日にしてもらえて、資金繰りが楽になった
・回収が月末なので、その日回収・その日支払という綱渡りがなくなった

という事例も多く出ています。

③受注の先読み、完成の先読みを確実にする

工事がない時期の、人件費・経費の支払いは堪えますね・・・。
工事をしていると儲かった気になり、終わったら受注工事がなくて、慌てて営業するといったお話もよく聞きます。
施工・完成の先読み(手が空く時期の先読み)とそのタイミングに合わせた受注案件の管理と営業活動をすれば、多くの場合改善出来ています。

④そもそもの自己資本を蓄積し、現金預金残高を厚くする

最も抜本的な対策は、この自己資本を充実するという事ですね。
少々の回収・支払の波は吸収できるだけの現預金を保有すれば何も問題ありません。
これは、現場ごとの利益を出し、会社の利益を増やし、税金を払った後の利益を自己資本として積み増すことになります。
利益を増やすというテーマは、他の記事でお伝えしますね

おわりに

また現実的には、借入金やファクタリング(債権の現金化)を使わなければならないケースもありますが、これらは別の記事でお伝えします。