キャッシュを最大化する仕組み 第2回【第1の視点】売上を拡大することはできないか?

キャッシュを最大化のための第1の視点は「売上」です。売上を拡大するためにはどうすれば良いか、その“ツボ”の探し方を解説いたします。

利益とキャッシュを生む売上と、そうでない売上

売上を拡大する事にはどの社長も関心を持つでしょう。
しかし、利益と資金を最大化する事を目的にすると、利益とキャッシュを生む売上と、そうでない売上の見極めが重要であることに気づきます。

 「利益を生まない売上」 とは、
●安値取引しかしない顧客の売上 
●外注費などの外部コストが大きな売上
●不得意な工種や金額規模で赤字になる売上 などを指します。

 「資金を生まない売上」 とは、
●回収までの期間が長い売上
●工事原価の支払いまでの期間が極端に短い売上
●多額の未成工事支出金の負担で中間払いがない売上  などを指します。

 逆に、「利益と資金を生む売上」 とは、
●利益率が良い売上
●回収までの期間が短い売上 です。

当然、極力そのような売上を増やすために経営資源を割くべきです。このような売上の中身の分析は、下記のような表で分析すると明らかになります。
図2
この表の場合、山田建設さんが、利益率も高く回収期間も短く、かつまだシェアが低いので受注を伸ばせる余地もあると考えられますので、積極的に営業に力を入れたい顧客です。

この表は顧客別の分析ですが、会社の特性に合わせて工種別・受注金額層別・地域別などの区分で分析しても結構です。

売上を因数分解して考える、ツボを押さえる

漠然と売上拡大を考えてもなかなか効果的施策は生まれません。
例えば、「売上=顧客数✕1顧客あたり受注額×受注単価」で分解して考えてみましょう。

更に、顧客数を増やすには、「新規顧客開拓」「開拓した顧客からの継続受注促進」等に分解できます。また顧客からの受注増加も「まだ受注をもらえてない発注担当(部門)への営業強化」とか「まだ受注できてない工事分野(工種)の営業強化」などに分解して考える事ができます。

このように、売上を更に因数分解して、売上拡大の “ツボ” を探して施策を考え行動しましょう。
中小企業ではあれもこれも一度に取り組む事は難しいので、今年のテーマ・来年のテーマと、「重点項目を設定して」、「ひとつづく実行していく事」が重要です。

重点項目の決定は売上だけでなく「利益が残る売上を増やすツボはどこか?」を考えて決定しましょう。
参考までに、下請業態の建設業の売上拡大のロジックツリーを載せておきます。
左が売上拡大という目的、右にその手段・施策と展開されています。
図5
住宅工務店やリフォーム事業のB2Cの元請業態の売上拡大のロジックツリーも載せておきます。
左が売上拡大という目的、右にその手段・施策と展開されています。
図6
■コメント■
弊社及びパートナーコンサル(会計事務所等)がご支援する全国の中小建設業様は、最初は単価改善は難しいと仰るケースが多いようですが、キチンと積算をして適正利益を確保できる見積書で商談して頂くと、単価適正化=工事利益適正化につながっています。

下請・元請ともに改善出来ています。中小建設業では、単価最適化を制約として捉えず、改善対象として鮮明に認識する事が極めて重要だと感じています。